TJAR完走記③スゴ乗越から双六小屋まで

4時間寝てスゴ乗越小屋を出発。悪条件のテン場だったが疲れていたので即落ち熟睡。 

おかげで薬師まで順調に経過。試走の時は随分と登った記憶があるが、そこまででもなく、気づいたら薬師頂上を通過する所にいたくらい。

山頂標識を横目に一旦は通過したが、行動予定表を見ると薬師岳がCP(以下チェックポイント)とあるため、大汝の事もあるので念のため山頂通過と思い、5分通過したところから戻って標識にタッチしておいた。イブキにも残るはずだ。

コース復帰するところで紫の選手前田さんとすれ違った。

大汝は通過の証拠に写真撮影

薬師峠キャンプ場に向かう下りの沢では、通過のたびにタッチする水の湧いているところで一休み。来る度に流れる水のせいで歩くところが変わっていて歩きにくく好きではないところ。けど、憧れ上の廊下源流かと思うと、まぁいいかと。

テン場では、撤収作業中の方々から応援をいただいた。水を補給し再出発する階段のところで保谷選手と出会った。

同時に神戸のSMクラブメンバーが何名か居られ、同じ兵庫県ということでご挨拶。クラブに大学の同級生がいるという話をしながら、先の木道区間を早歩き。1人木道から落ちた時はビックリした。

太郎平小屋では長めの休憩。補給を多めに摂り、日焼け止めを塗布。小屋のラジオからは快晴の予報が流れていた。

20分は休んだろうか、保谷選手と同時に再出発。北の俣あたりは絶景すぎて感嘆符多めの歩みに。ただ気を抜けばすぐ熱中症になりそうな暑さ。

暑さには弱いねんとコメントを残し、山中選手が追い抜いていった。

私は暑さを利用して、スゴで濡れたシュラフカバーとシェルターを乾燥。

そういえば北の俣からの下りで、保谷選手と一緒にウンコを踏んだ。それも狭い登山道の真上で。ここでお尻出したやつどんな奴やねん(怒)と小言を述べながら、靴底の奴をなるべく払い落とすべく、摺り足で進んだ。合言葉は黒部五郎カールで洗おうだったと思う。

保谷選手が先行している時は、彼が足を置いたところには絶対手を置かないようなして進んだ。疲労でただでさえ疲れるのに、そこに注意力を割くのは苦痛であった。しかも度々臭いし。

犯人は雉撃ちの仕方を教わるといいと思う。

山と道の代表であられる夏目さんから、実名入りで、フレーフレーコールをいただき嬉しかったことも記録しておく。

カールでは水浴びと靴底洗濯ができ心身ともにさっぱりとなった。誰もいないと思った我々の下流では、先着していた某選手が水浴びをしていたが、ウンコは薄まるはずだから大丈夫だ、これは報告書で報告として、内緒にしておこうと約束。しばらく笑いを堪えるのが大変だった。

その先小舎までの樹林帯区間は早歩き。試走時はダケカンバで頭を打つ区間のため注意した。時々登山道を横切る水に帽子を浸し冷却。沢登りの後にする匂いがしていた。

小舎では、同じようにコースを辿りながら応援される方の、CCレモンぐい呑み姿という毒にあたった。とても羨ましかった。

ここでもしっかり補給タイム。

冷え冷えのジュース達

ところが休みすぎたのか、エネルギー変換が追いつかないためなのか次の上りがとてもだるかった。

登りの途中で止まって休憩。双六まで同じペースでいけると思っていたので面食らうも、先は長いし、ここまできただけでもすごいこと、まぁ焦らず行こう、と気を持ち直し歩いて双六へ。

ここでは友人のIさんが待ってくれていた。昨日はミラージュランドにいたのに、さすがの行動力。有人CPであったためテン場に行き到着報告。足ケアや補給を済ませ西鎌尾根に向かう。

ちょうど同じ頃に出発した保谷選手、田中選手、前田選手も。

運がついたせいか、太陽は霧に隠され、風は弱く、ただ足を上げるつらさを除けば順調に尾根を進むことができた。おかげで途中で泊まり先として、沢渡グレンパークと奈川の山菜館に電話で断りを入れておく余裕もできた。

あとは上高地CPまで一直線。最後の急登を後ろの選手にエールを送り進み、槍ヶ岳山荘で通過チェックを受け下りへ。

近くにいた選手と雑談しながら、流れでコースの変わった槍沢を進んでいった。下りきったらパワーウォーク。

めざすは上高地にある自販機でコーラを買うことに。暗い横沢辺りも熊に怯えつつグングン進む。遅い時間で電源落とされた自販機にはだいぶんがっかりさせられたがまだ進む。

迂回路である梓川右岸は、渓流魚を探しつつひたすら進む。

ようやく小梨平のCPに着いたのは真夜中頃。真っ暗なテン場にひそひそ声で通過チェックをしてもらい、念願のコーラを買って三口で満足して次へ。

昨夜の寝床が狭く斜めだったので水平を求め、かつ夜間のトンネル帯通過を叶えておくために、寝床は沢渡グレンパークに定め、封鎖で車の通らない釜トンネル群を抜けていった。

釜トンネルを過ぎると、真夜中にも関わらずたびたび応援をいただいた。同じ家族に初めて会ったかのように2回応援されたのは面白かった。

グレンパークは足湯がなくなっているので、寝るには十分な広さがあり、保谷選手と田中選手とともに休むことができた。

ここでは3時間。水平かつ寒くないのでシェルター不要の快適睡眠であった。水平は大事である。

続く

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