少し早く眠れるようになってきたと思ったけど、結局は気のせいだった。
人に左右され過ぎ。
他人にとっては些細なことでも、自分にとっては大事で頭の中がいっぱいになった。
反応が無いということは、無いこと自体も堪えるけど、反応する価値が無いと捉えられている事には、もっと堪える。
そして自分の行為を後悔し始める。意固地になり、言いたくないことを言ってしまった自分が嫌いになる。
すると思考はどんどん良くない方にいく。
その結果、仕事中の複雑な気分を思い出した。
先日、健康診断の受付に来た親子がいた。受けるのは母親で、子どもは成人している位の年齢だったが、生活するには母の保護を必要とする雰囲気だった。
受付時間に遅れてきたその女性は、申し訳なさそうに、今日は手持ちが無いのですが、後日払いでもいいですか?と私に尋ねてきた。
病院窓口ならよくあることだが、保険を使わない健診だから何かあるかもと思い、即答せずに事務に尋ねてみた。すると本日中の支払いならOKということであった。
それを伝えると、来月にならないと払えないと言われた。
それをまた事務に伝えると、それなら健診はできないと言われ、それを来た人に伝えた。
冬に似合わない少し寒そうな格好をしたその人が受ける健診は、就職に向けた診断書作成のための健診だった。
そこで私の思考回路は、
ようやく決まった仕事なのかもしれない。そこに出す診断書を作りにきたのかも。でもまだ働いていないから、お金が無くて困っているんじゃないだろうか。子どもの目の前でお金が無いって言って、しかも健診を受けられないって断られる姿を見せなきゃいけないって辛くないかなあ、
となっていた。
結局その日はお断りして、後日予約を取り直してもらった。
ある同僚には、健診受けるのにお金無いなんてあり得ないって言われた。
確かにあり得ない。財布を持たずに買い物に出かけるようなものだ。
けど何かもやもやが残った。モヤっとさの正体はまだ分からない。でもいい気分で無かったのは確か。
最初にに尋ねられた時に、それならば今日は健診を受けてもらうことかはできないが、別の日の予約をとりましょうか?と返せていたら、もう少しスムーズに対応できたのかもしれない。
自分の動きの悪さにモヤっとしたのだろうか。
今日の日に合わせて計画的にお金を使わないその人に何か責めるような感情を持ったのだろうか。
必要なお金がない事を恥だと思ってる自分ってどうなんだろうか。
そんな複雑な気分を、考えることは大事なんだろうけど今は向き合いたくなかったその気分を、思い出してしまった。
でも耐えようっと。