午前中は、保健指導を仕事にしています。
今日はある男性のお話を伺いました。
検査結果はそんなに悪くなかったので指導はすぐに終えようとしたのですが、心が疲れているようでしたので、少しお話を伺いました。
すると、いろんなお話が出てきました。聞いても良さそうだったので、もう少し聞いてみました。
交通事故に巻き込まれ、仕事を失い、追い打ちをかけるように親の介護や子どもの事故が起き、とても辛い悲しみの中にある人でした。飲まざるを得なくなったかなように、毎日お酒を沢山飲んでおられました。
悲しさが伝わってきました。
後悔していることや、これから先を考えると不安になることを話されました。
幸せになりたい。幸せはお金や仕事でなく、自分のしたいことをすることでなく、家族と共にあり、心を通わせることだと言われました。それをしてこなかったツケが今やってきているようだと言われました。
最近私が考えている幸せとは少し違うお話でした。通過してきた道を振り返ってみて出されるその人の幸せの定義は、力強さがありました。
その人の持つ辛さに、技術でなく、心から、辛いですねと答えることができました。
自分が苦しんでいること、そしてそれを受け止めてくれる人がいることが影響したのだと思いました。
帰るときに、今日は健診に来てよかった、カウンセリングを受けたような気分だと言われました。
そうも言ってられないので、体を動かすことは好きだし、城山にでも登ろうかと思っているのだ、とも話されました。本音で話せる友人がいて助けられていることも話されました。
ただじっと耳を傾け、相づちを打ち、ものすごく集中してお話を伺いました。
その人は、また来年、新しい健診センターでお会いしましょうと言い帰っていかれました。
私の話をじっと聞いてくれる大切な人に、いつか今日あったこの事を伝えたいと思いました。